「回天」テーマに映画製作 歌舞伎俳優・市川海老蔵が映画初出演ということでも話題になっている映画「出口のない海」。戦争を美化するなという意見もあるけれど、戦争が美しいはずもなく、悲しい事実を伝えることはとても大事なことだと思う。
フラッシュ回天特別攻撃隊 人間魚雷回天とは
動画松本零士『ザ・コクピット』音速雷撃隊「桜花」 人間ミサイル桜花とは
特攻兵器だけが狂気の兵器だったわけではなくて、アメリカの使用した原爆も狂気の兵器だった。戦争そのものが狂気なのだから、関わった全ての人が悲劇だったとしか言いようがない。彼らの悲劇を繰り返さないことだけが、唯一の慰めになると思う。
最後に、日本の若者がどんな気持ちで特攻していったのかを知ってほしい。
「回天特別攻撃隊菊水隊 今西太一少尉 25歳 遺書」
お父様
フミちゃん
太一は本日、回天特別攻撃隊菊水隊の一員として出撃します。日本男子として生まれ、これに過ぐる栄光はありません。勿論生死の程は論ずるところではありません。私達はただ今日の日本が私達の突進を必要としていると言うことを知っているのみであります。
上御一人に帰し奉るこの道こそ太一二十六年の生涯に教えられた唯一のものであり、そのままの生き方を為し得る今日を喜ぶものであります。(中略)
最後のお別れを充分にして来る様にと家に帰して戴いたとき、実のところはもっともっと苦しいものだろうと予想して居ったのであります。しかしこの攻撃をかけるのが決して特別のものでなく、日本の今日としては当たり前のことであると信じている私には何等悲壮な感じも起らず、あのような楽しい時をもちました。坂本竜馬、中岡慎太郎、木戸孝允と先輩諸兄の墓に詣で、ひそかにその志に触れたく思ったのでありました。何も申上げられなかったこと申訳ないこととも思いますが、これだけはお許し下さい。
お父様、フミちゃんのその淋しい生活を考えると何も言えなくなります。けれど日本は非常の秋に直面しております。日本人たるものこの戦法に出ずるのは当然のことなのであります。日本人としてこの真の生き方の出来るこの私、親不孝とは考えておりません。淋しいのはよくわかります。しかしここは一番こらえて戴きます。太一を頼りに今日まで生きてきて下さったことも充分承知しております。それでも止まれないものがあるのです。フミちゃん立派な日本の娘となって幸福に暮らして下さい。これ以上に私の望みはありません。お父様のことよろしくお願い致します。私は心配をかけっぱなしでこのまま征きます。その埋合わせはお頼み致します。他人が何と言えお父様は世界一の人であり、お母様も日本一立派な母でありました。この名を恥かしめない日本の母になって下さい。この父の母の資質を受け継いだフミちゃんにはそれだけの資格があるのですから。何にも動ずることのない私もフミちゃんのことを思うと涙を留めることが出来ません。けれどフミちゃん、お父様泣いて下さいますな、太一はこんなにも幸福にその死処を得て行ったのでありますから、そしてやがてお母様と一緒になれる喜びを胸に秘めながら。
軍艦旗高く大空に揚るところ、菊水の紋章もあざやかに出撃する私達の心の中何と申上げればよいのでせう。
回天特別攻撃隊今西太一唯今出撃いたします。
「神風特別攻撃隊第七十七振武隊 相花信夫少尉 18歳 遺書」
母を慕いて
母上お元気ですか
永い間本当に有難うございました
我六歳の時より育て下されし母
継母とは言え世の此の種の女にある如き
不祥事は一度たりとてなく
慈しみ育て下されし 母
有り難い母 尊い母
俺は幸福だった
遂に最後迄「お母さん」と呼ばざりし俺
幾度か思い切って呼ばんとしたが
何と意志薄弱な俺だったろう
母上お許し下さい
さぞ淋しかったでしょう
今こそ大声で呼ばして頂きます
お母さん お母さん お母さんと
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