戦争はどこにでもある
僕は人工中絶に反対だ。新しい命が宿っているのに、親の都合でその命を消すなんて許されないと思っている。堕ろせばいいや的な風潮を失くすためにも、養子制度を充実させるなりして母体保護法で定められている22週未満の中絶であっても禁止にして欲しい。ただお金を払って強制的に命を消し去るくらいなら、海外の捨て子ボックスのほうがはるかにマシだと思うから。
しかし、出産によって危険が予想されるような人や、レイプで妊娠させられた人に「産みなさい」とはとても言えない。命の尊さはわかっているし、残酷な中絶の映像を見聞きしたけど、この気持ちは変わらない。死刑制度が多数の幸福のために必要なのと同じで、罪のない人を救う必要悪だと思う。
シンニード・オコナーもおそらく同じ考えなのでしょう。「サタデー・ナイト・ライブ」に出演した時に、いかなる中絶も禁止しているカトリックのトップ、ローマ法王の写真を破り捨てて抗議しました。この行為は騒動になり、その少し後に行なわれたボブ・ディランの30周年記念コンサートにオコナーが出演した際には大ブーイングに見舞われます。
僕はこのときのオコナーほど強い女性を知りません。ディランのために集まった、同じ感性のはずのファンからの非難は予想外だったはずです。ディランのファンとは思えないほどの保守的な観客のブーイングを目の当たりにして悲しい表情で立ち尽くすオコナー。なんとかブーイングを収めようとバンドが演奏を始めようとしますが、ブーイングはまったく止みません。そこでオコナーは演奏を止めさせ、ディランに関係のないボブ・マーレーの「War」をたった一人で感情をむき出しにして歌ったのです。「戦争はどこにでもある」と歌い終えて観客を睨みつける彼女は本当にかっこいい。ステージを下がった後にクリス・クリストファーソンの胸で泣き崩れる姿も人間らしくて目頭が熱くなります。
シンニード・オコナーを聴くとこの事件を思い出して、彼女のように強い意志を持って生きたいなぁと思います。
Sinead O'Connor「War」 YouTubeのアカウントを取らないと見れない映像かも知れません。フリーメールでもOKですので取られてはいかがでしょうか。
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コメント
中絶に反対、賛成の二つしか選べなければ賛成を選びます。
それは止むに止まれず選択する人もいる以上そういう人たちを許さないわけにはいかないから。
ただへる氏さんと同じで、あまりに未熟な存在とはいえ命を安易な理由で奪うのは許せないです。そうなるとどこまでの中絶が理由が許せて、どこまでが許せないのか?今騒がれている尊厳死の線引きともリンクする話ですね。
投稿 梟の目 | 2006年4月13日 (木) 01時06分
母親を救うのか、胎児を救うのか・・・難しい問題ですね。
投稿 へる氏 | 2006年4月13日 (木) 22時49分